「経営・管理」の在留資格はステータスシンボル

日本において起業したり貿易などの事業の経営を開始するケースや、これらの事業に投資して経営に関与する場合、外国人に必要となる在留資格です。

外資系企業の経営者や管理者などが該当します。

「経営・管理」の在留資格はステータスシンボルとなるものです。

この在留資格については、貿易の自由化、資本の自由化など世界経済の自由化に対応し、外資系企業の経営者、管理者等を外国から受け入れるために設けられたものです。

「経営・管理」の在留資格は大企業と中小企業で扱いが異なります

カテゴリー制度導入により企業の規模によって扱いが異なります。

中小企業の場合には、役員であっても一人の外国人にしか「経営・管理」の在留資格は与えられません。

一方、大企業(上場企業レベル)は、複数の役員・支店長クラスの人材に対し「経営・管理」の在留資格が与えられます。

「経営・管理」の在留資格に対応する在留期間は、1年または3年、5年になります。

高度人材ポイント制においてポイントが70点以上となると変更申請で「特定活動」の在留資格が与えられます。

「経営・管理」の在留資格はかなり厳格な審査となります

「経営・管理」の在留資格は、取得に関してかなり厳格に審査されるので、その要件を満たすには、正確でかつ説得力のある証明書や資料の作成、提出が求められます。

該当要件として、事業の運営に関する重要事項の決定、業務の執行もしくは監査の業務に従事する社長、取締役、監査役の役員としての活動を行っていることが求められます。

一方、事業の管理の責任者としての部長、工場長、支店長などの活動を証明できる書類などで立証しなくては許可されません。

さらに、申請人が、日本国内の拠点において在留し、その事業が安定的かつ継続的に運営されるものでないといけません。

日本で行おうとする企業活動の経営基盤が弱い、売上げや営業活動などの経営実績が乏しい、財務内容から判断して経営が安定していないという要因があると、出入国管理庁では、在留資格の許可に否定的な見解を示します。

つまり、人間だけではなく、企業の実態についても詳細な資料(証明書)の提出が求められるのです。

中小企業を起業する場合では基本的に、最低ラインとして外国人が、500万円以上の資金を日本の拠点に対して投下していることを立証しなくてはなりません。

この場合、自宅とは別に事務所を確保することも必要です。事務所の家賃やコピー機、オフィス家具に投下する額も含めて500万円という形で問題ありません。

これが、出入国管理庁の示す経営基盤を満たすための基準になるのです。

「経営・管理」の在留資格と「高度経営・管理活動」の違い

これに対し新しい高度人材ポイント制の評点が70点を超える外国人は「高度経営・管理活動」が認められます。

従来の「経営・管理」の在留資格との大きな違いは「高度経営・管理活動」が認められると日本人のみが投資している事業の経営・管理ができるようになります。

「経営・管理」の在留資格申請にあたっての提出書類

経営・管理の在留資格を申請するためには以下の提出書類が基本書類となります。実際に提出する書類については出入国管理庁から必要に応じて別途請求されるものもあるので参照程度に留めておいてください。カテゴリー制度導入により企業の規模によって提出書類が異なります。

「経営・管理」の在留資格申請にあたっての基本となる提出書類

  1. 在留資格認定証明書交付申請書
  2. 写真(縦4cm×横3cm)を1枚用意してください。なお、申請前6ヶ月以内に正面から撮影した無帽、無背景で鮮明な写真でないといけません。また、裏面には、申請人の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付する必要があります。
  3. 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、簡易書留用の切手を貼付:金額については出入国管理庁へお問い合わせください)
  4. 申請人が日本で行おうとしている活動内容によって提出すべき資料は違います。

1.日本で事業の経営を開始してその事業を経営する場合、または日本の事業に投資してその事業を経営する場合

事業の内容を明らかにする資料として会社案内を用意してください。
また、会社の登記事項証明書も必要になります。
さらに、直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)法定調書合計表の写しが求められます。
新規事業の場合には、今後1年間の事業計画書を提出する必要があります。
加えて、申請人を除く常勤の職員数を明らかにする資料として、直近の雇用保険納付書の控えの写しをご用意ください。
さらに、人数分の雇用契約書の写しまたは、賃金台帳の写し住民票の写しも必要です。
ただし、申請人が、事業に500万円以上の投資を行っている場合には、常勤の職員を2名以上雇用していなくても問題ありません。
事務所の概要を明らかにする資料として、事業所の賃貸借契約書の写し会社案内など事業所の概要を明らかにする資料が求められます。
申請人の投資額を明らかにする資料として、株式名簿又は法人税申告書(収受印のあるもの)が必要です。さらに、事務所の備品の領収書など投資額を明らかにできるような資料をご用意ください。

2.日本で事業の経営を開始した外国人に代わってその事業を経営する場合、又は日本への事業に投資している外国人に代わってその事業を経営する場合

事業の内容を明らかにする資料として、会社案内会社又は法人の登記事項証明書直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)の写しをご用意ください。
新規事業の場合は、今後1年間の事業計画書を提出する必要があります。
申請人を除く常勤の職員を明らかにする資料として、直近の雇用保険納付書控えの写しをご用意ください。常勤の職員に関連して、人数分の雇用契約書の写し、又は賃金台帳の写し住民票の写し(登録原票記載事項証明書)が必要です。
事業所の概要を明らかにする資料として、会社案内、又は事業所の賃貸借契約書の写し事業所の概要がわかる資料をご用意ください。
申請人の活動の内容、期間、地位、及び報酬の記載のある文書として、契約書の写しか、派遣状の写し異動通知書の写しをご用意ください。

3.日本において開始され、若しくは投資された事業の管理に従事し、又は日本において事業の経営を開始し、若しくはこれらの事業に投資している外国人に代わってその管理に従事しようとする場合

事業の内容を明らかにする資料として、会社案内書会社又は法人の登記事項証明書直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)の写しをご用意ください。
新規事業の場合には、今後1年間の事業計画書を提出する必要があります。
申請人を除く常勤の職員数を明らかにする資料として直近の雇用契約書の写しをご用意ください。
また、職員に関連する資料として、雇用契約書の写し又は賃金台帳の写し住民票の写し(登録原票記載事項証明書)をご用意ください。
事業所の概要を明らかにする資料として、事業所の賃貸借契約書の写し、その他事業所の概要がわかる資料が必要になります。
申請人が事業の経営又は管理について3年以上の経験(大学院において経営又は管理に関連した科目を専攻した期間も含む)を有することを証明する文書を求められます。たとえば、在職していた企業または在職する企業における職務内容及び在職期間を証明する文書や大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を証明する文書などです。
さらに、申請人の活動の内容、期間、地位及び報酬の記載のある文書として契約書の写し派遣状の写し異動通知書の写しのいずれかもしくは準じた文書が求められます。
いずれについても、上記以外にも、出入国管理庁における審査の過程で、さらに追加で資料を求められる場合もあります。

経営・管理」の在留資格申請の提出先

住居地を管轄する地方出入国在留管理官署となります。